JR国立駅の旧駅舎が復元再築 赤い三角屋根、魅力発信拠点に

斜め横から見た旧国立駅舎=東京都国立市

 惜しまれながら2006年に解体されたJR国立駅(東京都国立市)の旧駅舎が、以前とほぼ同じ場所に再築され、同市の魅力発信拠点として6日に開館した。大正末以来、長く街のシンボルだった赤い三角屋根の建物が、懐かしい風景をよみがえらせている。

 国立駅の開業は1926年。国立市の前身・谷保村に学園都市を開発していた不動産会社「箱根土地」が建設し、鉄道省に寄付した。当時両隣だった国分寺駅と立川駅から1字ずつ取って駅名とし、谷保村は51年に国立町、67年には国立市となった。

 旧駅舎は、英国の田園都市の小住宅を参考にしたといわれ、左右非対称の三角屋根とロマネスク風のアーチ窓が特徴になっている。米建築家フランク・ロイド・ライトに師事したこともある河野伝が設計した。

 80年間親しまれた旧駅舎はJR中央線の立体高架化工事に伴って撤去されたが、活発な保存運動を受け、国立市が解体された部材を保管し、2018年から復元工事を進めていた。

 旧駅舎は以前同様「大学通り」が真っすぐ見通せる位置に立ち、国立の観光情報、街づくりの歴史や旧駅舎の文化財的価値などを伝え、市民の憩いの場ともなる。国立市の担当者は今後、国立のことを知ってもらい、行ってみたくなるようなイベントを開催したいという。


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