兵庫の弥生土偶はシンプルな表情 縄文の風習残る裏付け材料に

神戸市の玉津田中遺跡から見つかった土偶

 兵庫県教育委員会は22日、玉津田中遺跡(神戸市西区)で弥生時代前期(約2300年前)とみられる土偶が見つかったと発表した。目は線、口は穴で表現しただけのシンプルな表情が特徴。土偶は縄文時代に多く見られ、弥生時代の出土例は全国的に珍しい。

 今回見つかった土偶は頭部のみで、高さ約7センチ、幅約6センチ。粘土と砂を混ぜて作られていた。遺跡からは縄文時代に多く見られた石棒も見つかっている。

 縄文文化を象徴する土偶や石棒が見つかったことについて桃山学院大の秋山浩三客員教授(考古学)は「弥生前期には縄文時代の風習がまだ残っていたことを裏付ける材料だ」と指摘している。


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