WTO上級委、機能停止へ 米反対、補充折り合わず

スイス西部ジュネーブにあるWTO本部(共同)

 【ジュネーブ共同】世界貿易機関(WTO)は9日の一般理事会で、常設上訴機関である上級委員会の「裁判官」に相当する委員の欠員補充問題を巡り協議したが、折り合いが付かなかった。米国の反対が要因だ。本来7人いるはずの上級委員は現在3人にまで減っている。うち2人は10日で任期が終わるため合議体が形成できなくなり、上級委は機能不全に陥ることになった。

 上訴中の14案件のうち、審理が進んでいる4案件に限り、現在残っている3委員による審理は継続される見通し。だが残る10案件と、新規上訴案件については新委員就任まで審理できないため、上訴手続きがほぼ停止する。


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