具体策なく「歯切れだけ」 小泉環境相に被害者落胆

水俣病の被害者団体との懇談会で、要望書を受け取る小泉環境相(中央右)=19日午後、熊本県水俣市

 小泉進次郎環境相は19日、水俣病犠牲者の慰霊式に出席した後、被害者団体と懇談した。「環境省は水俣病をきっかけに立ち上がった組織。心を砕いていく」と述べたが、具体的な施策に言及はなく、被害者側から「歯切れが良いだけ。何も言っていない」と落胆の声が相次いだ。

 懇談では、高齢化する被害者への福祉サービスの充実や、不知火海沿岸の住民の健康調査を求める意見が続出した。被害者の会の中山裕二事務局長(65)は「調査を求め続けたこの10年間に多くの人が亡くなった。環境省は被害者が死ぬのを待っているのか」と怒りをぶつけた。


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