渋沢栄一を地域の顔に 長年暮らした東京都北区

「東京北区渋沢栄一プロジェクト」の懸垂幕が掛けられた東京都北区の第2庁舎

 東京都北区は、区内の飛鳥山に居を構えた実業家の渋沢栄一(1840〜1931年)が新1万円札の「顔」に決まったのを受け、渋沢との関係を通じて区をPRする「東京北区渋沢栄一プロジェクト」を開始した。

 渋沢は現在の埼玉県深谷市で生まれ、飛鳥山にあった自宅「曖依村荘」で没した。北区の飛鳥山公園には、渋沢に関する歴史資料を展示する渋沢史料館(リニューアル工事のため2020年3月まで休館中)、曖依村荘跡に造られた渋沢庭園などがある。

 渋沢は第一国立銀行(みずほ銀行の前身の一つ)や抄紙会社(現在の王子製紙)をはじめとする数多くの会社の設立に関わり、「日本資本主義の父」と呼ばれる。肖像の入った新1万円札が24年度から発行されるのに加え、21年のNHK大河ドラマ「青天を衝け」の主人公にも選ばれ、再び注目が高まっている。

 北区広報課によると、10月1日から11月2日まで、東京区政会館(千代田区)で深谷市と北区に残る渋沢の足跡をパネル展示。官民で協力して渋沢と区の関係性が広く知られるようにするため、以前から民間で行われている渋沢関連の企画(クイズラリー、渋沢史料館の館長出前講演会など)と連携する。学校で使用する副読本を作ることも検討するという。

 担当者は「24年にはわっと盛り上がるようにしたい。大河に合わせた事も何かやれれば」と語る。


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