東大が新たな電子顕微鏡を開発 磁気帯びた原子レベルで観察可能

高さ約3メートルの新開発の電子顕微鏡を説明する柴田直哉東京大教授=23日、東京都文京区

 磁石のように磁気を帯びた物質を原子1個レベルの細かさで観察できる新たな電子顕微鏡を開発したと、東京大の柴田直哉教授、電子顕微鏡メーカー日本電子(東京)などが24日、英科学誌ネイチャーコミュニケーションズに発表した。

 高性能なモーターを実現するための材料などを、原子レベルで設計することが可能になるという。柴田教授は「ものづくりが経験ではなく、原理に基づいてできるようになる」と期待する。

 電子顕微鏡は電子のビームを試料に当て、構造を観察する機器。試料の手前で強い磁場を使いビームを細く絞るが、磁気を帯びた試料では変形するなどし、原子を見るのは極めて難しかった。


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