堺、幕末の鍛冶屋敷記録を発見 鉄砲生産、年商「3億円」

鉄砲鍛冶屋敷から見つかった帳簿(堺市提供)

 江戸時代に鉄砲生産地だった堺市で、大名との取引の帳簿など約2万点が鉄砲鍛冶屋敷「井上関右衛門家」(堺市堺区)から見つかり、市が18日までに、関西大との共同調査の結果をまとめた。

 大きな戦乱がなく国内の鉄砲産業が衰退したとされていた江戸後期に生産が増加。欧米各国に開国し幕府が不安定になった幕末の慶応2(1866)年に井上家は469丁を売り、年商は3029両(3億円相当)に達していた。

 関西大の藪田貫名誉教授(日本近世史)は「当時の鉄砲ビジネスの内容が詳細に分かる初めての史料で、『平和な江戸時代に鉄砲産業は衰退した』とする通説を覆す結果だ」と話している。


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