不妊強制「結婚の条件」 ハンセン病患者被害を報告

シンポジウムで証言する岩川洋一郎さん=16日午後、大阪市

 旧優生保護法で不妊手術を受けたハンセン病患者らの被害について考えるシンポジウムが16日、大阪市で開かれた。国立療養所星塚敬愛園(鹿児島県鹿屋市)の自治会長岩川洋一郎さん(82)は当時を振り返り「不妊手術は強制だった。結婚の条件として同意するしかなかった」と証言した。

 旧優生保護法(1948〜96年)は障害者の他、ハンセン病患者も本人と配偶者の同意を条件に不妊手術の対象と定めていた。夫婦で暮らす部屋をもらうため手術に応じたという岩川さんは「悲しく、つらかった。わが子がいたらという思いが消えることはない」と明かした。


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