「寛永通宝」の鋳造所か 長野・松本で未完成品など出土

松本城近くで発掘された寛永通宝。未完成品や失敗品で、研磨されていない状態(長野県松本市教委提供)

 長野県松本市の国宝・松本城近くのビル建設現場の発掘調査で、江戸時代の代表的貨幣「寛永通宝」の未完成品や鋳造に使われた道具などが見つかり、16日から松本市時計博物館で一部が公開される。3月3日まで。松本藩では幕府から鋳造が許されており、現場付近一帯が鋳造所だった可能性がある。

 松本市教育委員会によると、発掘調査は2015年8月〜16年9月。失敗した寛永通宝など9点、溶けた金属を鋳型に注ぐ「るつぼ」約30個分の破片などが見つかった。

 寛永通宝は1636(寛永13)年から幕末まで造られたとされ、松本藩では初期の1637〜40年に鋳造されたとの文書が残っている。


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