社交場の歴史を継承 東京会館の新本館が開場

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大宴会場「ローズ」はバラをイメージしたシャンデリアや照明で、より華やかになっている=東京都千代田区

 大正時代に創業し、芥川賞・直木賞の贈呈式会場としても知られた東京・丸の内の東京会館本館が、約4年の休館を経てリニューアルオープンした。100年近く国際的な社交場として人々をもてなしてきたインテリアやデザインを、近代的な高層ビル内にありながら随所に継承している。

 3代目となる新本館は三菱地所、東京商工会議所と共同開発した「丸の内二重橋ビル」に開場。宴会場や結婚式場、レストランを備える。

 初代本館は1922年に「民間初の社交場」として誕生し、開業当初から本格的なフランス料理を提供。初代、71年築の2代目には世界的芸術家や政財界の大物が訪れ、英国女王も迎えた。文化人にも愛され、井上靖や三島由紀夫らの著作に登場する。

 戦後数年は連合国軍総司令部(GHQ)に接収され、将校クラブとして営業。朝からこっそり酒が飲めるように牛乳を使ったカクテルはマッカーサー元帥も愛飲したといわれ、新本館のメインバーでも楽しめる。

 大宴会場「ローズ」の名称はGHQの将校が天井のピンク色の装飾を見て「バラのように美しい」と称賛したことからだそう。新「ローズ」は、バラをイメージしたシャンデリアや照明でより華やかに。初代の大宴会場で「東洋一の壮麗さ」といわれた大シャンデリアがらせん階段に残されるなど、歴史があちこちで受け継がれる。

 創業以来初めてメインダイニングの料理長を外部から招くなど、革新も行った。渡辺訓章社長は「守るべきものは守りながら挑戦する姿勢は忘れず、東京会館のおもてなしを世界に発信したい」と話している。