不正調査前提に予算計上か 厚労省幹部「長期間継続」

 厚生労働省の賃金構造基本統計を巡る不正問題で、厚労省の担当部署が、本来の訪問調査ではなく、不正な郵送調査を前提に、予算を計上していた可能性があることが30日、分かった。宮川晃厚労審議官は総務省統計委員会に「(不正が)かなり長い間行われていたようだ」と説明。明確に不正を認識しながら、総務省からの点検指示を受けるまで明らかにせず、組織的に隠蔽されていた疑いも浮上した。

 厚労省は不正の実態を内部で検証する方針だが、先に問題が発覚した毎月勤労統計では特別監察委員会の中立性を巡って与野党から厳しい批判を浴びている。賃金構造統計についても追及が強まるのは必至だ。


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