遺伝子治療で歩けるように 難病の6人、運動機能を改善

 自治医大(栃木県)は23日、難病「芳香族Lアミノ酸脱炭酸酵素(AADC)欠損症」の6人に遺伝子治療を行い、寝たきりの状態から歩行器で歩けるようになるなど、全員の運動機能を改善させることに成功したと発表した。

 病気の原因は遺伝子の異常で、神経伝達物質ドーパミンを作るのに必要な酵素が生まれつき体内に十分存在しない。多くの患者は生後間もなく発症し、首が据わらないまま寝たきりに。患者は世界で約140人、国内では少なくとも8人とされ、有効な治療法はない。

 臨床研究として2015年以降、4〜19歳の患者の脳に酵素を作る遺伝子を無害なウイルスに組み込んで注入した。


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