リアルな動き追求のアニメ 「あした世界―」櫻木監督

「こんなに大勢のスタッフを率いる監督になるとは思っていなかった」と話す櫻木優平監督=東京都新宿区

 3DCGや人工知能(AI)など、最新技術を駆使して製作された“新世代”のSFアニメ映画「あした世界が終わるとしても」(25日公開)。櫻木優平監督は「自身や(所属する)クラフタースタジオの代表作として取り組んだ」と語った。

 平凡な高校生・真と幼なじみ琴莉の前に、突然「もうひとりの自分」が現れ、日常が一変していくオリジナルストーリー。櫻木監督は「淡い恋を描いた前半部分ではキャラクターの繊細な演技を、後半はダイナミックなアクションを楽しんでほしい」と話す。

 昔ながらの手描きアニメの質感と、3DCG特有の滑らかな動きを融合させた「スマートCGアニメーション」の手法で知られる。「見る側の想像力をかき立てるのが手描きアニメの良いところ。半面、古くさく見えないような工夫も必要になる」。今回も一部のキャラデザインにAIを導入するなど、新しい技術をふんだんに取り入れた。

 注目は日常パートにおけるキャラの「動き」だ。人の動作を読み取ってデータに変換する「モーションキャプチャー」を活用し、登場人物がただ立っているだけのシーンでも微妙に体を揺らす―など、とことんリアルな動きを追求している。

 同時に力を入れたのが表情だという。「体の動きがリアルになった分、顔のお芝居がそれに追いつかないと、不気味に見えてしまう。バランスを大事にしました」


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