小笠原諸島周辺を海洋保護区に 環境省、国際目標にめど

小笠原諸島周辺の深海に生息するカイコウオオソコエビ(海洋研究開発機構提供)

 海の生態系の保全を強化するため環境省は21日、小笠原諸島(東京都)周辺の海底域を「海洋保護区」に加える方針を決めた。これで、2020年までに自国が管轄する海域の10%を保護区とする国際目標の達成にめどが付くとしている。一方、既存の保護区のほとんどは水産資源保護が主な目的で、環境団体からは「生態系を守れるのか疑問」と制度の実効性を懸念する声が上がる。

 海洋保護区は国際的に統一された定義がなく、政府は漁業法の共同漁業権区域なども含まれるとの立場。既に8・3%の海域が保護区とされているが、9割以上に当たる8・1%は共同漁業権区域など水産資源保護の制度に基づく。


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