米、発電所の水銀基準「不要」 環境保護局方針、化石燃料有利に

 【ワシントン共同】米環境保護局(EPA)は28日、石炭、石油の火力発電所の排ガスに含まれる水銀の量を法律で規制するのは「ふさわしくなく不要」と判断する方針だと発表した。必要な対策費に比べ、得られる利益が小さいためとしているが、トランプ政権が化石燃料産業に有利に取り計らう狙いがあるとみられる。

 現行基準を直ちに緩和する提案ではないが、一般から意見を募った上で最終決定する。決定されれば、将来的に火力発電所からの水銀排出を容易にする恐れがある。水銀は脳や神経など人体に有害で、環境保護団体は「市民の健康を脅かそうとしている」(シエラクラブ)と強く批判している。


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