シートベルトで海藻を再現、山形 リサイクルで「生態系守りたい」

海藻に見立てて海中に設置されたシートベルト=山形県酒田市の酒田北港(みなと研究会提供)

 山形県酒田市のNPO法人が不要になった自動車のシートベルトを海藻に見立てて海中に設置し、魚介類のすみかや産卵床を作っている。全国的にも珍しい取り組みで、リサイクルを通じ生態系を守ることが狙いだ。

 日本海に面する酒田北港。砂地が多く、魚に必要な海藻が育ちにくい。11月9日、砂浜の美化やハタハタの保全活動を行う「みなと研究会」の守屋元志代表(71)が海に浮かべたロープをたぐり寄せると、シートベルト数十本が姿を見せた。細くて黒く、見た目は海藻そのものだ。

 地元企業から不要なシートベルトの有効活用を依頼されたのがきっかけ。公益財団法人自動車リサイクル促進センターによると、シートベルトは他の自動車部品に比べ加工が難しく、廃棄されることが多いという。

 多くの乗り物に使用されており、再利用できればごみ減量にもつながる。長さ1・2〜1・5メートルのシートベルトをねじって海藻の形に似せロープに通し、約2年前に海中に漂わせた。

 これまでにイワガキの稚貝や海藻のアカモクが付着しており、海藻に卵を産み付けるハタハタの繁殖にもつながることが期待できる。


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