欧州で反ユダヤ主義高まる EU調査、38%が転居検討

8日、ドイツ・ハンブルク市庁舎前のクリスマス市で、ユダヤ教の光の祭り「ハヌカ」とクリスマスを共に祝おうと並べて掲げられたユダヤの象徴「ダビデの星」と十字架(共同)

 【ブリュッセル共同】欧州連合(EU)基本権機関は10日、欧州のユダヤ人の89%が反ユダヤ主義がこの5年で高まったと感じ、38%が安全な地域への転居を考えているなどとするアンケート結果を発表した。

 欧州委員会のティメルマンス第1副委員長は同日の記者会見で、反ユダヤ主義は「炭鉱のカナリア」と強調。欧州では人種差別や少数派排斥の空気が強まる時、ユダヤ人が最初に犠牲になってきたと指摘し、危機感を示した。

 欧州では第2次大戦中のナチス・ドイツによるホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)への反省などから反ユダヤ主義の根絶を目指したが、依然実現できていない。


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