政権強化に「反ロシア感情」 戒厳令のウクライナ

 【モスクワ共同】ロシア当局が黒海でウクライナ艦船を銃撃、拿捕した事件で、ウクライナのポロシェンコ大統領は一部地域に事実上の戒厳令に当たる「戦時状態」を導入した。来春の大統領選で再選が困難視されるポロシェンコ氏にとって「唯一の求心力は国民の反ロシア感情」(野党政治家)。ただ30日間の超法規的措置で危機をあおり、政権基盤を強化できるかは見通せない。

 ポロシェンコ氏は事件を「ロシアの軍事的侵略行為」と強調する。しかしウクライナ艦船はロシアが領海と主張する海域を執拗に逃げ回っており、同氏が「政権延命のため仕組んだ芝居」(ロシアメディア)との見方が主流だ。


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