強制不妊手術と中絶「深い傷」 国は違憲性示さず、北海道

旧優生保護法を巡り、国に損害賠償を求めた訴訟の初弁論が開かれた札幌地裁の法廷=12日午後

 旧優生保護法(1948〜96年)下で不妊手術と中絶を強制されたのは憲法違反として、北海道の女性(75)と夫(81)が国に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が12日、札幌地裁(高木勝己裁判長)で開かれた。国側は旧法の違憲性に見解を示さず、請求棄却を求めた。原告側は「旧法は消えることのない深い傷を与えた」と述べた。

 原告側の代理人弁護士は意見陳述で、夫婦のコメントを紹介。「夫との子どもを一緒に育てたかった」「今でも毎日を妻にわびる気持ちで過ごしている」など、苦しみを訴えた。

 国側は答弁書で「国家賠償法が存在していた」として違法ではないと反論している。


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