不正漁獲のイカ輸入で漁業者損失 26年間で469億円、供給過剰

北海道函館市で水揚げされたスルメイカ。不正な漁獲品の輸入が国内の漁業者に損失をもたらす=2013年6月

 違法操業などで不正に漁獲されたイカの輸入が供給過剰と価格の押し下げを招いており、国内の漁業者が2016年までの26年間に最大469億円の損失を被ったとの試算を、東京海洋大の松井隆宏准教授らのチームが5日、発表した。「水産資源の保護に加え、経済の面からも規制強化が必要だ」と指摘している。

 違法漁業や、漁獲量を水産当局に報告しない漁は、世界的に問題になっている。EUや米国は、多くの魚種の輸入時に漁獲証明書の提出などを義務付けているが、日本は大西洋クロマグロなど一部に限られ、対策は不十分だ。主要な天然水産物の輸入量の3割程度が不正な漁獲との指摘もある。


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