滋賀の寺跡で法隆寺と同文様の瓦 蘇我氏勝利で勢力下に

滋賀県栗東市の蜂屋遺跡の寺跡で見つかった「忍冬文単弁蓮華文軒丸瓦」(滋賀県文化財保護協会提供、左)と法隆寺のもの(同寺所蔵・奈良文化財研究所提供)

 奈良県斑鳩町にある世界遺産・法隆寺と同じ文様の瓦(7世紀後半)が滋賀県栗東市の蜂屋遺跡の寺跡で見つかり、滋賀県文化財保護協会が1日、発表した。法隆寺と同じ木型で作られた「忍冬文単弁蓮華文軒丸瓦」が奈良以外で見つかるのは初めてで、法隆寺との密接な関係がうかがえるという。瓦は寺の西端とみられる溝から大量に出土した。

 遺跡付近は古代には栗太郡物部郷と呼ばれ、飛鳥時代に豪族物部氏の領地だった。仏教受け入れを巡る丁未の乱(587年)で、聖徳太子が味方した蘇我馬子が排仏派の物部守屋を滅ぼして以降は、法隆寺の荘園や倉庫が設けられたことが分かっている。


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