2018年10月31日 22:27 | 無料公開
石川県野々市市の「末松廃寺跡」から出土した、女子像が描かれた9世紀ごろの土製品(同市提供)
石川県野々市市教育委員会は31日、同市の国史跡「末松廃寺跡」で、女子像が描かれた9世紀ごろの土製品が見つかったと発表した。塔を模した焼き物「瓦塔」の一部で、これまでに全国で約250の出土例があるが、市によると、絵が描かれたものは初めてという。
奈良文化財研究所の松村恵司所長によると、女子像は弥勒菩薩に仕える天女とみられる。松村所長は「北陸地方への弥勒信仰の浸透を物語る貴重な資料だ」としている。
主に8〜9世紀に作られた瓦塔は、五重塔など高層の塔を模し、信仰の対象になっていたとされる。