津波試算「武黒氏に報告」 東電の武藤元副社長

東京電力の勝俣恒久元会長、武黒一郎元副社長、武藤栄元副社長

 福島第1原発事故を巡り業務上過失致死傷罪で強制起訴された東京電力旧経営陣3人の公判は16日午後も東京地裁で続き、武藤栄元副社長(68)は被告人質問で、最大15・7mの高さの津波が第1原発の敷地を襲うとの試算結果を、2008年8月に上司だった武黒一郎元副社長(72)に報告したと話した。

 武黒元副社長の弁護人は昨年6月の初公判で「報告を受けた記憶はない」としていた。

 武藤元副社長の説明によると、08年6月に東電の担当者から、国の地震予測「長期評価」を基にした津波の試算結果を伝えられた。しかし、すぐに対策に乗り出さず、土木学会に試算手法の妥当性の検討を委ねた。


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