福岡市で国宝金印テーマのシンポ 「漢委奴国王」製作工程を報告

福岡市で開かれた、国宝の金印「漢委奴国王」をテーマにしたシンポジウム。右下は遠藤喜代志さん=14日

 約2千年前の中国から伝わり、江戸時代に福岡市東区の志賀島で見つかった国宝の金印「漢委奴国王」をテーマにしたシンポジウムが14日、同区で開かれた。古代の製法に迫ろうとした研究者が工程を報告し、形や印面の特徴を紹介した。

 製作に挑んだのは、鋳造や考古学などの専門家らで構成する「九州鋳金研究会」。松やにを混ぜたろうの原型を粘土などで固めて鋳型にし、木炭で溶かした金を流し込んだ。

 研究会メンバーの鋳物師遠藤喜代志さん(68)は報告で「扱う金の量が少ない上に、溶かして流し込む際の温度管理が大変だった」と振り返った。印面を彫る作業は研究中で、今後着手する。


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