2018年10月14日 18:07 | 無料公開
福岡市で開かれた、国宝の金印「漢委奴国王」をテーマにしたシンポジウム。右下は遠藤喜代志さん=14日
約2千年前の中国から伝わり、江戸時代に福岡市東区の志賀島で見つかった国宝の金印「漢委奴国王」をテーマにしたシンポジウムが14日、同区で開かれた。古代の製法に迫ろうとした研究者が工程を報告し、形や印面の特徴を紹介した。
製作に挑んだのは、鋳造や考古学などの専門家らで構成する「九州鋳金研究会」。松やにを混ぜたろうの原型を粘土などで固めて鋳型にし、木炭で溶かした金を流し込んだ。
研究会メンバーの鋳物師遠藤喜代志さん(68)は報告で「扱う金の量が少ない上に、溶かして流し込む際の温度管理が大変だった」と振り返った。印面を彫る作業は研究中で、今後着手する。