土星の輪からメタンの雨 探査機最後のデータで判明

土星の大気(下)と最も内側の輪との間を通りながら観測する探査機カッシーニの想像図(NASA提供・共同)

 【ワシントン共同】昨年9月、土星の大気に突入し燃え尽きた無人探査機「カッシーニ」の最後の5カ月間の観測データを基に、この大気には土星の輪からメタンやアンモニアなどの成分が雨のように降り注いでいるとの分析を、米航空宇宙局(NASA)などが5日付米科学誌サイエンスに発表した。

 これまでは、土星の輪から降り注いでいるのは主に水だと考えられていた。最後の観測で水のほかケイ酸塩、一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、有機物が含まれていると分かった。

 この「雨」によって、予想外にたくさんの物質が輪から大気に供給されているとみられ、輪の内側は薄くなっていく可能性があるという。


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