リーマン時、市場機能維持に注力 元金融庁長官の佐藤隆文氏

インタビューに答える元金融庁長官の佐藤隆文氏

 2008年のリーマン・ショック当時に金融庁長官として金融行政のかじ取りに当たった佐藤隆文・日本取引所自主規制法人理事長(68)が19日までに共同通信のインタビューに応じた。「市場機能の維持が重要な課題の一つだった」と述べ、株式相場の混乱解消に力を注いだ対応を振り返った。

 欧米の金融機関が相次いで経営難に追い込まれた中、1990年代後半の不良債権問題を乗り越えた日本の金融システムは「安定度が群を抜いて良かった」と指摘。一方、日本株が海外投資家主導で大幅に下落したため、金融庁は株式を持たずに売り注文を出す「空売り」の規制などを打ち出し、相場の適正化を進めた。


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