労働分配率の下落続く、17年度 43年ぶり低水準、企業統計

 財務省が3日発表した2017年度の法人企業統計では、企業が稼ぎを人件費に回す割合を示す「労働分配率」の下落が続いた。17年度は66・2%でバブル期にも及ばず、43年ぶりの低さ。蓄えを指す「内部留保」や業績が高水準でも政府の賃上げ要請が響かず、デフレ脱却の鍵を握る個人消費の活性化がおぼつかない構図を表している。

 労働分配率は企業が原材料を仕入れ、より高値で売ることなどで生じる「付加価値」から、賃金や福利厚生費に充てた割合を示す。金融・保険業を除く統計では、リーマン・ショックの起きた08年度に近年のピークの74・7%に達した後、ほぼ一貫して下落している。


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