気軽にクラフトビール造り 東京・板橋の醸造所が人気

 東京・板橋のビール醸造所「東京エールワークス」で、クラフトビールの醸造体験がこの夏、始まった。専門知識を持ったスタッフのアドバイスを受けながら、誰でもオーダーメード感覚で好みの味わいのビールを気軽に造れるのが特長。年内は予約で埋まるほど、人気を集めている。

 2〜3人で共同作業自体を楽しんだり、カップルが結婚式用のオリジナルビールを造ったりと目的はさまざま。指導に当たる米国出身のボブ・ストックウェルさんは「おいしいクラフトビールを気軽に造りたいというニーズが想定以上にありました」と話す。

 体験では、フルーティーな「IPA」や複雑でキレのある「ペールエール」など5種類からいずれかを選ぶ。別途相談で新レシピによるオリジナルビールも醸造できる。

 7月、さっぱりした黒ビール「ドライスタウト」醸造に4人の参加者と共に挑戦した。レシピ通り、3種類の麦芽を計量し、機械で粉砕してから、湯の入った釜に入れた。60度台で加熱し、糖化させる。まるで麦芽のおかゆを作る感じだ。

 ろ過して取り出した麦汁を煮立てたら、ホップを加える。入れたとたんに泡立ち、草のような香りが広がるのが醍醐味だ。4時間ほどで麦汁が完成する。発酵器に移し、一気に冷却。イーストを投入したら、この日の作業は終了した。ラベルは複数のひな型から作る。

 発酵や熟成、瓶詰めはスタッフらが行い、330ミリリットルのボトル48本ができる。約4週間後、完成したビールを味わう。甘みや酸味を含む豊かな香りに、強い苦味とクリーミーさを感じた。かけた時間の分だけうま味が増し、これまでで一番おいしい黒ビールだった。

 参加費は3万9800円。問い合わせは東京エールワークス、電話03(5944)1861。


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