米国への核燃料返還遅延の恐れ 京大研究炉、地元が反対

京都大研究炉「KUCA」(右)=大阪府熊取町

 京都大複合原子力科学研究所(大阪府熊取町)が所有する研究炉用高濃縮ウラン燃料の米国への返還開始が、予定している来年夏よりも遅れる可能性があることが24日、関係者への取材で分かった。同町に隣接し積み出し港のある大阪府貝塚市が風評被害や警備の問題を懸念し、港の使用に反対しているため。

 日米両政府は安全保障上の理由から、日本国内の高濃縮ウラン燃料を2021年度末までに全て返還することに合意している。大幅に遅れれば国際問題に発展する恐れもあるが、核に対する地元の不信感が改めて表面化した形だ。

 研究所は「周辺自治体に来年夏までに丁寧に説明し理解得たい」としている。


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