米国などの武器条約批准を要求 メキシコ外務次官

東京都内で取材に応じるメキシコのミゲル・ルイスカバニャス外務次官=24日

 通常兵器が紛争などに使われないよう取引を規制する武器貿易条約(ATT)の第4回締約国会議に出席したメキシコのミゲル・ルイスカバニャス外務次官は24日、東京都内で共同通信の取材に応じ米国などが同条約を締結していないことを「問題視している」とし「数年以内に批准することを期待したい」と話した。

 ATTは武器がテロや市民虐殺に使われる恐れがある場合、締約国に移転を許可しないよう求めており、97カ国・地域が締結。米国はオバマ政権時に署名しているが批准に至っておらず、中国、ロシア、北朝鮮なども締結していない。

 ルイスカバニャス氏は、小型武器だけでも世界で年間約50万人が命を落としていると指摘。メキシコには、年間約20万ともされる武器が米国から違法に流入して麻薬組織などの手に渡り「深刻な問題となっている」として「米国のさらなる協力が必要だ」と強調した。

 ルイスカバニャス氏は「中国やインド、ロシアなども(締約国に)加わってほしい」と述べる一方、2014年に発効した同条約が多くの国に浸透し「不可逆的な段階まで達した」と評価した。

 メキシコでは15年にATTの第1回締約国会議が開かれた。(共同)


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