平成の即位礼「ちぐはぐな舞台」 故小林忍侍従、日記に先例化懸念

 昭和天皇の侍従だった故小林忍氏(1923〜2006年)が、90年11月に催された天皇陛下の「即位礼正殿の儀」を巡り、「ちぐはぐな舞台装置」「新憲法下初めてのことだけに今後の先例になることを恐れる」と当時の政府対応を批判する見解を日記に記していたことが23日、分かった。戦後初めて行われた即位の礼は、政教分離を巡り違憲論議も起きた。政府は宗教色を抑えようと配慮したが、一貫性がないとして宮内庁内に不満があったことがうかがえる。

 政府は、来年10月に予定されている新天皇の「即位礼正殿の儀」も基本的に前例踏襲とする方針で、小林氏の見解が一石を投じる可能性もある。


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