和歌山・九度山で「椎出鬼の舞」 鬼が呪文唱え五穀豊穣を祈願

椎出厳島神社の奇祭「椎出鬼の舞」で、鬼に抱き上げられ泣き叫ぶ子ども=16日午後、和歌山県九度山町

 和歌山県九度山町の椎出厳島神社で16日、南北朝時代から続くとされる奇祭「椎出鬼の舞」が奉納され、高野山麓の山あいの里は観光客や親子連れでにぎわった。

 鬼が呪文を唱え五穀豊穣、悪疫払い、雨乞いなどを祈願する神事で、地元では「盆の鬼」の名で親しまれている。午後5時、長さ約1・5mの棒を持った赤い髪の鬼を先頭に、太鼓や笛、笠鉾を持った「十人衆」が太鼓の音とともに境内に登場。鬼は棒を振り回す勇壮な舞を何度も披露した。

 呼び物は「乱の舞」。鬼が子どもに息を吹きかけ「ウー」と声を出して威嚇すると、怖がった子どもが親にしがみつき大声で泣き叫び、会場は歓声に包まれた。


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