元号、本命決着へ議論誘導 平成改元、アルファベットで説明

1989年1月7日、新元号「平成」を発表する小渕恵三官房長官=首相官邸

 1989年1月7日の昭和天皇逝去に伴う改元を巡り、政府が本命の「平成」で決着するように有識者懇談会の議論を誘導していたことが分かった。アルファベットで頭文字を表記した場合、平成は「H」なのに対し、他に最終案に残った「修文」と「正化」は「S」となり、昭和の「S」と重なってしまうと説明していた。

 平成改元時に元号担当の内閣内政審議室長を務めた的場順三氏(83)が9日までの共同通信の取材に明らかにした。

 的場氏によると、政府は89年1月7日午後、有識者による「元号に関する懇談会」を開催。最終案として「平成」「修文」「正化」の3案が示された。


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