養護施設の青年ら厚労相と面会 環境整備を要請

厚労省を訪れ、加藤厚労相(中央)に児童養護施設の環境整備を要請した高校生ら=3日午後

 児童養護施設で暮らす高校生や進学で退所した大学生が3日、厚生労働省を訪れ、「養護施設の子どもは、身近に憧れの人を見つけることで夢に向かって進むことができる」として、施設の子どもたちの環境整備を加藤勝信厚労相に要請した。

 訪問は教育支援グローバル基金(東京)の人材育成事業の一環で、高校生4人と大学生4人の男女計8人が参加した。

 その中で、青山学院大に今春進学した長谷真由子さん(19)は、シングルマザーの母を中学生の時に亡くし、姉や弟と施設に入所。当初は進学を諦めていたが、姉の進学に励まされ、英語が堪能だった母に憧れ通訳を志すようになった。「母が私の世界を広げてくれた。未来は自分で切り開ける」と話した。

 一方、埼玉県立久喜北陽高3年の藤本翔さん(18)は、小学生の時に施設でいじめを受けたと報告。その経験を生かし、同様に悩む子どもを支えられる施設職員になりたいと夢を語った。

 厚労省によると、児童養護施設で生活し2015年度末に卒業した高校生の進路は、約70%が就職。大学や専門学校への進学は約24%で、全国の高校生の数字を大幅に下回っているという。


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