父親への引き渡し認める ハーグ条約、名古屋高裁

 国境を越えて連れ去られた子どもの取り扱いを定めた「ハーグ条約」に基づく返還命令を拒否したのは不当だとして、米国に住む父親が、次男を連れて日本に帰国した母親に引き渡しを求めた人身保護請求の差し戻し審で、名古屋高裁(戸田久裁判長)は17日、引き渡しを認める判決を言い渡した。

 戸田裁判長は判決理由で「次男は日本に残りたいと主張しているが、母親に大きく依存して生活しており、母親が不当な心理的影響を及ぼしている」と指摘した上で「母親による拘束には顕著な違法性がある」と述べた。

 両親は米国で暮らしていた日本人。母親は2016年、次男を連れて無断で帰国した。


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