脳腫瘍に薬で放射線治療 がんセンターで臨床試験

 国立がん研究センターと放射線医学総合研究所は17日、悪性脳腫瘍への放射性治療薬を開発し、今月中に臨床試験(治験)を始めると発表した。

 放射性治療薬は放射線を出す薬剤をがんの近くに集めて、内部から局所的に攻撃する仕組み。甲状腺がん治療薬など数種類が保険適用されているが、全て海外で開発されており、承認されれば国内初となる。

 脳腫瘍の内部は酸素濃度が低く、通常の抗がん剤や放射線治療は効かないことが多い。今回の薬は、放射性銅が低酸素の腫瘍に集まりやすい性質を利用。内部でがん細胞を攻撃するベータ線や特殊な電子を放出し、腫瘍の増殖を抑える。


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