髪の毛のもと大量培養の技術開発 来年にも男性型脱毛症の臨床研究

人の頭皮から取り出した幹細胞を組み合わせて作った毛包組織。細い糸状のものは髪の毛が生える方向を誘導するナイロン糸(理化学研究所提供)

 人の髪の毛のもとになる毛包組織を培養して大量に増やす再生医療技術を開発したと理化学研究所などが4日、発表した。安全性を確かめるため、近くマウスに移植する実験を行う方針。安全性が確認できれば、思春期以降に額の生え際や頭頂部の髪が薄くなる男性型脱毛症の人を対象にした臨床研究を来年にも始めたいとしている。

 脱毛症は男性型や薬の副作用によるものなどに分類され、国内に約2500万人の患者がいる。薬の使用や後頭部の毛包を移し替える方法はあるが、薬はやめると効果が続かず、移し替えも生やせる毛の本数に限界があるといった課題がある。


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