鶏卵に人のがん再現、薬効検証に 京大チームが発表

鶏の有精卵の中で人工的に作られた、人の卵巣がん(京都大の玉野井冬彦特定教授提供)

 鶏の有精卵の中で人の卵巣がんを人工的に作り、抗がん剤の効き目を試せる手法を開発したと、京都大の玉野井冬彦特定教授(生化学)のチームが4日付の英科学誌電子版に発表した。

 がんは、同じ種類でも、各患者や進行度合いにより性質が違う。鶏卵の中のがんは個々の患者のがんをもとに作るため、最適の抗がん剤を選択するのに役立つという。

 玉野井特定教授は「遺伝子解析や、がんを再現したマウスを使って有効な抗がん剤を探すよりも、期間や費用を大幅に減らせる」と話している。


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