佐藤春夫らの“幻の原稿”確認 壺井栄も、戦中の上海誌

記者会見する北京外国語大の秦剛教授=27日、東京都内

 作家の佐藤春夫(1892〜1964年)や壺井栄(1899〜1967年)が戦時中の上海で発行された日本語雑誌「大陸」に発表したきり、日本では存在がほとんど知られていなかった“幻の原稿”が確認された。北京外国語大の秦剛教授(日本文学)が27日、東京都内で記者会見して発表した。

 ほかに作家の井伏鱒二さん(1898〜1993年)が戦争末期に執筆した短編小説などを確認。秦さんは北京の中国国家図書館で同誌を見つけた。20作以上が日本で未発表の貴重な資料といい、28日発売の文芸誌「早稲田文学」初夏号に一挙に掲載される。


  • LINEで送る