唐で流行の履物と裏付け 正倉院宝物、素材調査で

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唐からの舶来品と判明した正倉院宝物「繍線鞋」。つま先が欠けた方の靴底から、日本には自生しない黄麻が検出された。(正倉院事務所提供)

 正倉院に伝わる女性用の履物「繍線鞋」の素材に、日本には自生しない黄麻(ジュート)が使われていることが繊維の分析で分かり、唐(中国)からの舶来品であることが裏付けられたと、宮内庁正倉院事務所が19日、発表した。正倉院紀要第40号に掲載された。

 繍線鞋はスリッパのような形状で、つま先に花形の装飾や刺しゅうがある。光明皇后が756年に聖武天皇の遺愛品を東大寺に献納した際の目録「屏風花氈等帳」に8足を納めたことが記され、うち4足が正倉院に伝わる。

 正倉院事務所によると、8世紀の唐では女性たちの間で「線鞋」と呼ばれる履物が流行していたことが文献から知られている。