論文不正防止に「長い目必要」 田中さんと大隅さんが会見 

記者会見する大隅良典・東京工業大栄誉教授(右)と田中耕一・島津製作所シニアフェロー=9日午後、京都市

 ノーベル賞受賞者の田中耕一・島津製作所シニアフェロー(58)と大隅良典・東京工業大栄誉教授(73)が9日、京都市のホテルで記者会見し、論文不正の防止策について聞かれ、若い人が成果を出すのに長い目で見る必要性を訴えた。

 田中さんは自身の研究で結果が出るまで時間がかかったり、失敗したりした経験を紹介。研究者の有期雇用などの背景を指摘し、「国は成果を出すのに長い目で見なければいけない」と話した。

 大隅さんは「決して良い方向に日本の科学は向かっていない」との認識を示した上で、「10~20年を見通す視点を持たないと科学の進歩は難しい」と話した。


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