大阪高裁も3人の原爆症認定 新基準「線量を過小評価」 

 兵庫県と京都府の被爆者6人に関する原爆症の認定申請を国が却下した処分に対し、本人や遺族が取り消しなどを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は16日、うち甲状腺機能低下症の3人を原爆症と認めた2015年の一審大阪地裁判決を支持、双方の控訴を棄却した。

 高橋譲裁判長は判決理由で、国が13年末に見直した原爆症認定の新基準に基づく被ばく線量の推定方法について、一審判決に続き不備があると指摘。改めて「科学的根拠はあるが、適用には一定の限界があり、線量を過小評価している疑いがある」と言及した。

 6人は0~14歳の時に広島や長崎で被爆。うち2人は係争中に死亡した。


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