正倉院の「銀壺」、国産との新説 仲麻呂の銀銭を素材に 

正倉院に伝わる「銀壺」(正倉院紀要第39号より)

 正倉院(奈良市)に伝わる金属器の中で最大の容器「銀壺」2点が、従来考えられてきた中国・唐製ではなく、奈良時代の権力者・藤原仲麻呂が鋳造に関わった銀銭を素材にした国産とする新説が正倉院紀要第39号に掲載され、宮内庁正倉院事務所が20日、発表した。

 提唱したのは奈良国立博物館の吉沢悟列品室長で、現存することが確認されていない幻の銀銭「大平元宝」が、仲麻呂失脚後に回収され、巨大な器の素材となったと大胆に推測している。

 2点は高さ41~43センチ、最大径61~62センチ。これまで遣唐使が持ち帰ったと考えられていた。


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