がん患部標的の粒子開発 副作用少ない治療期待 

 九州大と量子科学技術研究開発機構(千葉市)の共同研究チームは7日までに、がん細胞に特有の高温性に反応して膨らむナノ粒子を開発した。米科学誌電子版に発表した。粒子に含ませた薬剤を、がん患部だけにとどまらせることができるといい、九大大学院薬学研究院の唐沢悟准教授(有機化学)は「副作用の少ない治療が期待できる」と話している。

 がん細胞は、それぞれ数十~数百ナノメートルの隙間がある。この隙間を狙ってナノ粒子に薬剤を含ませて運ぶ治療はこれまでもあったが、粒子が隙間にとどまることができず正常な細胞にも広がり、副作用を招いていた。


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