前例主義にならない実名報道を マスコミ倫理懇「思考停止防げ」 

マスコミ倫理懇談会全国協議会の第60回全国大会の分科会で討議する参加者=29日午後、福岡市

 新聞社や放送局などでつくるマスコミ倫理懇談会全国協議会の第60回全国大会は29日午後、福岡市の会場で分科会が開かれた。事件に遭った被害者が匿名で発表される状況が相次いだことについて、参加者から「実名報道を社会に理解してもらえなければ、その都度(マスコミ自身が)必要性を説明しなければならない。思考停止に陥ってはならない」との声が出た。

 実名報道がテーマの分科会では、7月の相模原障害者施設殺傷事件で、警察が遺族の意向を受け、殺害された19人を匿名にした事例を毎日新聞の青島顕記者が報告。「前例主義にならず、実名報道の必要性を考え続けることが大切」と話した。


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