安倍政権、対ロ経済協力を先行 北方領土進展待たずに 

北方領土の歯舞群島。下は納沙布岬=2013年1月

 安倍政権は29日、北方領土問題の進展を待たずにロシアへの包括的な経済協力を先行させる方向で調整に入った。複数の日ロ関係筋が明らかにした。両国間の信頼関係を高めた方が領土問題の解決に資すると判断したためで、領土交渉の進展に応じて協力するとした政権の従来方針を事実上転換する。一部事業は年内にも着手する方向だ。

 先行実施するのは、安倍晋三首相が5月にロシア南部ソチでの日ロ首脳会談で提示した8項目の経済協力案。首相はロシア極東ウラジオストクで9月2日に予定されるプーチン大統領との会談の際、日本政府を挙げて取り組む考えを伝える見通し。


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