JAXA、衛星ひとみの運用断念 太陽電池パネルが脱落 

すばる望遠鏡が4月2日に撮影した衛星ひとみ。数十秒の間に太陽を反射する明るい部分の位置が変化し、機体が回転しているのが分かる(国立天文台提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は28日、軌道上でトラブルが起きたエックス線天文衛星「ひとみ」の運用を断念すると発表した。電力供給に不可欠な太陽電池パネルが全て脱落したとみられ、復旧は難しいと判断した。

 今年2月にH2Aロケットで打ち上げたひとみは、米航空宇宙局(NASA)などとの共同開発。国際協力でブラックホールや銀河団を観測して宇宙の謎に迫る予定だったが、計画に大きな穴があく結果になった。

 JAXAの常田佐久理事は記者会見で「観測成果に期待し、応援していただいた国民、国内外の協力機関、天文学研究者に深くおわびする」と陳謝した。


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