母死なせた男性に無罪、福岡 「心神喪失で責任なし」 

 母親を殴り死なせたとして、傷害致死の罪に問われた男性被告(39)の裁判員裁判の判決で、福岡地裁は20日、心神喪失で刑事責任能力はなかったとして、無罪(求刑懲役5年)を言い渡した。

 判決理由で岡部豪裁判長は、精神障害による妄想が影響したと指摘し「犯行当時、行動を制御する能力は全く無いか、無いに等しい状態だった」と判断した。

 公判で検察側は「心神耗弱状態であり、責任能力は完全には失われていなかった」と主張したが、岡部裁判長は「天照大神が自分に犯行をさせたと発言するなど、状況認識能力には明らかに異常がある」と退けた。


  • LINEで送る