71年、繊維交渉決裂で首相非難 米大統領「失望と懸念」と書簡 

1969年11月、米ホワイトハウスで日米首脳会談を行う佐藤栄作首相(左)とニクソン大統領(共同)

 日本の繊維製品の対米輸出規制を話し合う日米繊維交渉が決裂した1971年春、ニクソン米大統領が佐藤栄作首相に「失望と懸念を隠すことができない」と、強く非難する異例の書簡を送っていた。24日公開の外交文書で明らかになった。

 書簡については「佐藤栄作日記」に記述があるほか、米側で英文が開示されており、存在が知られていたが、日本政府が公開したのは初めて。他の公開文書と合わせ、繊維問題が首脳間でこじれ、日米関係が「戦後最悪」(信夫隆司日大教授)のレベルに陥っていく史実が浮かび上がった。

 書簡は71年3月12日付。和訳文が手書きで3ページにわたり記されていた。


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