正倉院から流出の錦か京都で発見 織り方一致 

京都市の呉服店で見つかった、正倉院から流出したとみられる錦(呉服店「ぎをん齋藤」提供)

 奈良市の国宝・正倉院に収められているびょうぶの表装に使われたとみられる錦が、京都市東山区の呉服店で見つかった。江戸時代にびょうぶが修復された際、宝庫外に持ち出され、そのまま流出した可能性があるという。

 鑑定した関西学院大の河上繁樹教授(日本染織史)によると、錦は縦65センチ、横23センチ。紫地に黄色の糸で唐花文様が織られていた。文様や色合いが、正倉院の「鳥毛帖成文書屏風」の表装に使われている錦と一致。

 呉服店の社長が今年9月、奈良市の古美術商から購入し、河上教授に鑑定を依頼していた。


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